第1話   初めてのブラジル訪問


わたしが初めてブラジルを訪問したのは2000年の暮れだった。

ガイドブックでいろいろとブラジルの事を調べてはいたけれど、当時の日本ではあんまり詳しいブラジルのガイドブックもなく、わたし達の住んでいたサンフランシスコからは直行便もなく、11月の終わり頃でなかなかチケットも取れず、やっと取れたのは

サンフランシスコ 〜 ヒューストン 〜 サンパウロ 〜 ブラジリア 〜 ゴイアニア

という最悪のコースと飛行機の遅延で、永遠に辿りつけないのではないかと思ったゴイアニアの飛行場だった。初対面ということで、花束を持って迎えに来てくれた彼の家族にどうにか搾り出すように一度微笑んでから、一切話す事も笑う事もできないくらいボロボロに疲れていた。

車で30分ほどの彼のお父さんの家に到着するなり、悪いとは思いつつも促されるままにベッドへと滑り込み深い眠りについてしまった。そして、目が覚めると彼の家族はみんな帰った後だった。そんなこんなで始まった初めてのブラジル滞在、わたしにとって、全てが未知の世界ブラジルだったから、

「ブラジルではこうなんだ」

という彼の言葉を鵜呑みにしつつ約2ヶ月間のブラジル滞在をエンジョイ?したのだけれど、うちの人の「ブラジルはこうなんだ」というのは、今思うと、はっきりいって全然「嘘」だったことも今更ながら発覚して、最近では彼の言う

「ブラジルでは〜」

は、99%信用せずに聞く事にしている(笑)

そして、滞在中に最も最悪のうちの人が言った「ブラジルの常識」

「3千キロくらい車で旅行するのはブラジルでは普通」

というのがあった。。。そしてそれが、

「ゴイアニア〜フォルタレザまでの車での旅」

であった。

どうしてフォルタレザに行くことになったかというと、義父の実家がフォルタレザから田舎に入った所にあって、義父の夢は、フォルタレザの義父の実家近くの海岸に別荘を建てる事だったらしい。

別荘と言っても豪奢なものでなく、「海の家」というのがいかにも似つかわしい3DKの平屋なのだが、元々貧しい牧場出身の義父からしてみれば、上等な別荘だった。当時建ったばかりのその「海の家」を訪問するのはわたし達のブラジル訪問のプランの一つとなっていたのだ。

車でひたすら走り続けて2日半かかると聞いて、飛行機でいけないのかと質問するわたしに、彼は

「これくらいの距離ブラジルでは車で行くのが普通なんだ」

というから、ゆくゆくブラジル生活に慣れなくてはいけないわたしとしては従わざるを得なかったのだった。

 

 

 

 

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